前回の記事
〈vol.1375 照明設計で絶対にやってはいけないこと〉
https://bit.ly/3tfxAKg
では、照明設計の初心者は照明配置図の作成を目的化してしまい、
・どの照明器具を
・どこに配置するか
ということに意識が集中してしまう。
その結果、
・空間の用途や目的の明確化
・空間における最適な光の状態の決定
といった照明設計の根幹となる最も大切なプロセスを飛ばしてしまう。
ということをお話ししました。
特に、初心者にとって難しそうなのが
・空間における最適な光の状態の決定
というプロセスです。
これを行うには、先ず、頭の中で空間がきちんとイメージできなければなりません。
それがなかなかできないらしいのです。
要するに、図面から空間を読み込むこと。
照明設計に際しては、平面図や家具や什器のレイアウト図といった平面の情報が書き込まれた図面と、立面図や展開図といった鉛直方向の情報が書き込まれた図面を用います。
この二種類の情報から、頭の中にその空間の様子を三次元でイメージするのです。
いわゆる空間認知能力と言われているものでしょうかね。
非常に感覚的なスキルなのですが、多分、これは訓練することで備わるのではないかと思います。
「思います」というのは、実は私はこの仕事をするようになってから特に訓練をしたという記憶がないのです。
別に、教えられるまでもなく出来ていたのですよね。
平面の図面と鉛直方向の図面、二つをかわるがわる見ているうちに頭の中、ちょうど眉間のちょっと奥のあたりにふわ~っと三次元のビジュアルが浮かび上がってくるのです。
思えば…
子供のころから家の設計図を見るのが大好きでした。
住宅やマンション販売の新聞の折り込みチラシを見るのが楽しかったなぁ。
それから、実家を建てるときに母が買い集めた住宅雑誌に載っている物件の図面と写真を見比べて、
「あぁ、図面のここは実際にはこんな風になっているのね…」
なんて、生意気にも確認してたりして(笑)。
もちろん今でも設計図を見て空想するのは大好き。
もしかすると、こんな子供のころからのお遊びが、仕事に役立ってくれているのかもしれませんね。
ともかく、頭の中で空間をきちんとイメージすることができるようにトレーニングすることです。
と、こんなことを言うと
「頭の中でイメージなんてしていないで、CG作っちゃえばいいじゃない」
と思う方がいるかもしれません。
でも、もし自らイメージすることを放棄してCGに頼ろうというのであれば、そのような方には照明設計は無理でしょうね。
なぜなら、この次に行うことはより高度なイメージング能力を要することだからです。
(つづく)
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