昨日お話ししましたように、当事務所では今年新たに二つの事柄に取り組んでまいりたいと考えています。
〈vol.1378 2024年の抱負〉
https://bit.ly/47wUACp
今日はその一つ、「シニアに特化した照明提案、照明設計業務」について考えていることを綴ります。
まず、このプロジェクトを立ち上げようと考えたきっかけは、昨夏、母が家の中でのアクシデントで右目を失明してしまったことです。
ある晩、いつのもように各部屋の照明を消しながら寝室に向かっていた母。
最後の部屋の照明を消して家じゅうがほぼ真っ暗になったとき、誤って目を家具の角にぶつけてしまい眼球破裂。
これが原因で右目の視力を完全に失ってしまいました。
事の顛末とその時々の私の心境については、昨年配信した記事をご参照ください。
〈vol.1364 I’m back!〉
https://bit.ly/3ulcdqN
〈vol.1365 痛恨の極み〉
https://bit.ly/3Rcahdb
〈vol.1366 夜間の照明環境を見直す〉
https://bit.ly/3Rkok0y
〈vol.1369 我が家の照明環境を改善する条件 〉
https://bit.ly/481BdSz
〈vol.1370 次に考えるのは照明方法〉
https://bit.ly/3NfvalD
〈vol.1371 条件にあった照明器具を選ぶ〉
https://bit.ly/47NCAor
〈vol.1372 安心でしかない〉
https://bit.ly/48p7hQN
あのアクシデントが起こったとき、
母の右目が完全に失明したと医師から告げられたとき(それ以前から母の右目の視力はかなり悪かったのですが…)、
本当に不甲斐なく申し訳ない思いでいっぱいでした。
このアクシデントの原因は我が家の夜間の照明環境にありました。
「長らく照明を学びかつ生業にし、高齢者の視覚や見え方と光の関係について説く仕事をしていながら、自分の親をこんな目に遭わせてしまうなんて…」
なぜ問題を見いだせなかったのだろう。
自宅だからと特に気を配ることもしなかった私の怠慢がこのアクシデントを引き起こしたのではないか。
今までこれほど悔しく情けない気持ちになったことはありません。
しばらく過ごすうちに、このアクシデントを教訓としてシニア層の住宅照明環境を整える支援はできないだろうか…そんな思いがわきあがってきました。
もう、照明環境が原因で怪我をするような高齢者は出てほしくありません。
また、私自身シニアに近づきつつある現在、かつてとは物の見え方や光の感じ方、明るさに対する感覚は明らかに変わってきています。
実はこれまで照明業界では、高齢者に対する配慮や対策はそれほど多く示されてきませんでした。
せいぜい
「高齢者は目の機能が低下するために若年者の数倍の照度が必要」
というくらいのもの。
でも、今回のアクシデントや私自身の最近の視覚の認識から考慮すると、単に明るくすればよいというものではないのです。
光の
・色合い
・量
・向き
・強さ
・広がり
場所と光を使う用途や目的に応じて、この五点を詰めてゆかないと解は見いだせない。
それに光に対する感覚は個人差があるから、一概にどの程度と決められるものでもありません。
私の体験と体感、そして今まで培ってきた照明の知識とスキルを活用することで、望ましいシニアの照明環境を創るお手伝いができるのではないか。
そんなことを思ったのです。
(つづく)
■ at light laboratory の照明講座 ■
【照明基礎講座】
照明理論の基本を6回で学ぶ講座です。
オンラインの動画講座ですので、いつでも、どこでも、
ご自身のご都合に合わせて学習をすすめることができます。
・照明の仕事を始めたばかりの方
・照明の社員研修をしたい
という方にもおすすめです。
ある企業には、新入社員研修としてご採用いただいております。
*詳細はこちら
https://light-lab.hp.peraichi.com/basic-lighting
受講を始める機会は毎月2回。
1日と16日に開講しています。
●メールマガジン【日日の光察】お申込み
https://i-magazine.bme.jp/bm/p/f/tf.php?id=hibinokousatsu&task=regist
●【日日の光察】バックナンバー
https://hibinokousatsu.wordpress.com/