vol.1377 プロフェッショナルな照明設計に必要な能力(2)

照明設計の初心者は照明配置図の作成を目的化してしまい、

・空間の用途や目的の明確化
・空間における最適な光の状態の決定

といった照明設計の根幹となる最も大切なプロセスを飛ばしてしまう。
特に、初心者にとって難しいようなのが

・空間における最適な光の状態の決定

というプロセス。
これを行うには、先ず、頭の中で空間がきちんとイメージできなければならないのだけど、これがなかなか出来ない方が多いようだ。

そんなお話しをしてきました。

〈vol.1375 照明設計で絶対にやってはいけないこと〉
https://bit.ly/3tfxAKg

〈vol.1376 プロフェッショナルな照明設計に必要な能力(1)〉
https://bit.ly/48jFOzM

でね、

・空間における最適な光の状態を決定する

というプロセスには、「頭の中で空間をイメージする」ことの他に、もう一つ大切な技術が必要なのです。

それは「光の状態をイメージする」こと。
照明設計初心者にとって、これは「頭の中で空間をイメージする」以上に難しいのではないかと思います。

なぜなら、光そのものは目で直接見ることができないから。

空間に存在する光の状態を視覚的に確認することはできません。
つまり、「見えないものをイメージ」しなければならないというわけです。

そんな雲をつかむようなこと、どうしたらできるのでしょう。

そこで必要になるのが光の知識。
照明理論あるいは照明工学の素養です。

・光の性質やふるまい
・光が表現すること(色彩)
・光に対する感受性(視覚)

光は目で見ることができません。
見えないものだからといって闇雲に、いい加減にイメージするわけにはゆきません。
見えないがゆえに、ガイドとして光の本質に関わる知識を頼りにするのです。

照明設計を行うためには、素材となる光を熟知している必要があります。

光の知識、つまり照明理論あるいは照明工学の素養をしっかりと身に付けていること。
そして、その知識を臨機応変、適切に活用するスキルを身に付けていること。

この二つが揃って「光の状態をイメージする」ことができるのです。

照明設計の根幹となる最も大切なプロセス

・空間における最適な光の状態の決定

のために必要な能力は二つ

・頭の中で空間をイメージする
・光の状態をイメージする

こと。
これらが、プロフェッショナルな照明設計に必要な基本の能力です。

*2023年の配信は本日が最終日です。
今年は投稿が少なくて忸怩たる思いでいます。
来年は多くの投稿ができるようにしてゆきたいと思っております。
新年は1月9日より配信を再開する予定です。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
急に寒くなってまいりました。
お身体大切に、よいお年をお迎えください。

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