月別アーカイブ: 2024年1月

vol.1380 シニアのための暮らしの照明相談(仮)

昨日記した、シニアに特化した照明提案、照明設計のプロジェクトについてどのようなことをやりたいのか、いま考えていることをお話ししますね。

まずは昨日のまとめから。

〈vol.1379 シニアに特化した照明提案、照明設計をしようと考えた理由〉
https://bit.ly/3tNMFTk

昨夏我が家で起こったアクシデントやシニアに近づいてきた私が最近感じる視覚機能の変化から、従来より照明業界でいわれている

「高齢者は目の機能が低下するために若年者の数倍の照度が必要」

という事に囚われて、ただ単に明るくすればよいというものではない。
やはり、用途や目的に応じて光の質を詰めてゆくことが必要。
そして何よりも、住まう方の光に対する感覚は個人差があるから、一概にどの程度と決められるものでもない。

と、シニアの暮らしの照明を整えるのってちょっと難しそう…

でも、昨夏のアクシデントで得た教訓と私自身の体感、そして今まで培ってきた照明の知識とスキルを活用することで、望ましいシニアの照明環境を創るお手伝いができるのではないか。
いや、これは私が担うべきことなのではないかと思ったのです。

さて、シニアの住まいの照明に大切なことは何でしょうか。
私は三つの要素があるのではないかと考えます。

(1)物や状態が見やすいこと
これはもう照明の目的の最も大きな要素ですので、当たり前といえば当たり前。
ただシニアに近づくにつれ視覚機能は変化してきます。
また、対象となる物の種類や行われる作業、動作によっては望ましい見え方のあり様は異なります。

(2)安全に行動できること
これも照明を用いる目的の一つですね。
ここでは視覚機能ばかりでなく、日常生活の行動パターンや身体の機能の状態や変化にも考慮する必要があるでしょう。

(3)毎日が心豊かに暮らせること
シニアの暮らしのあかりには最も大切なことだと考えています。
機能ばかりを追求して理詰めでプランすることで、素っ気ない、趣の無い雰囲気になってしまってはいけません。
潤いというか、ゆとりや彩り、楽しさ、単に光がたっぷりあるということだけではない明るさが、日々の暮らしには大切なのではないでしょうか。

・心地よいと感じる明るさ感
・好みのデザインの照明器具
・住まう方にとっての素敵な空間

(1)と(2)の要件を満たしつつ、日々を楽しく心豊かに過ごすことができる照明環境を創ることは何より大切です。

このような要素を考慮しつつシニアの照明環境を創るお手伝いをしてゆきたいと考えています。

そこではじめに、『シニアのための暮らしの照明相談』(仮)を行うことにしました。

・現在の生活での照明環境に対する不満や困りごと
 ‐不快なまぶしさを感じる
 ‐色の違いが分かりづらい
 ‐活字が読みにくくなってきた
 ‐物がはっきり見えない
 ‐暗く感じる
 など
・将来の住まいの照明に対する不安や悩み、疑問、知りたいこと

といったご相談にお答えしてまいります。

会議ツール:Zoom
ご相談時間:50分程度
実施の日程:メールでご相談のうえ決定
費用:無料

ただし、具体的な照明計画や照明器具の選定、ご提案はこのご相談内では行うことができません。
それを行うためには更に時間をかけてインタビューとリサーチを行い、空間の状態(空間サイズ、天井の高さ、内装の仕上げなど)との整合をとりながら、慎重に器具の選定と設置位置の決定を行う必要があるからです。
*ご要望がありましたら別途、照明計画やご提案をさせていただくことは可能ですが、これには費用が発生します。(お見積りは無料)

というわけで、まだご案内のサイトやお申し込みフォームは用意できていないのですが(汗)、もし本メールマガジンをご覧くださっている方、あるいはそのお知り合いでご興味ある方がいらっしゃいましたら、ぜひ本メールへの返信でお知らせください。

フライングでサービスを開始しちゃいます。
どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。

■ at light laboratory の照明講座 ■

【照明基礎講座】

照明理論の基本を6回で学ぶ講座です。
オンラインの動画講座ですので、いつでも、どこでも、
ご自身のご都合に合わせて学習をすすめることができます。

・照明の仕事を始めたばかりの方
・照明の社員研修をしたい
という方にもおすすめです。

ある企業には、新入社員研修としてご採用いただいております。

*詳細はこちら
https://light-lab.hp.peraichi.com/basic-lighting
受講を始める機会は毎月2回。
1日と16日に開講しています。

●メールマガジン【日日の光察】お申込み
https://i-magazine.bme.jp/bm/p/f/tf.php?id=hibinokousatsu&task=regist

●【日日の光察】バックナンバー
https://hibinokousatsu.wordpress.com/

vol.1379 シニアに特化した照明提案、照明設計をしようと考えた理由

昨日お話ししましたように、当事務所では今年新たに二つの事柄に取り組んでまいりたいと考えています。

〈vol.1378 2024年の抱負〉
https://bit.ly/47wUACp

今日はその一つ、「シニアに特化した照明提案、照明設計業務」について考えていることを綴ります。

まず、このプロジェクトを立ち上げようと考えたきっかけは、昨夏、母が家の中でのアクシデントで右目を失明してしまったことです。

ある晩、いつのもように各部屋の照明を消しながら寝室に向かっていた母。
最後の部屋の照明を消して家じゅうがほぼ真っ暗になったとき、誤って目を家具の角にぶつけてしまい眼球破裂。
これが原因で右目の視力を完全に失ってしまいました。

事の顛末とその時々の私の心境については、昨年配信した記事をご参照ください。

〈vol.1364 I’m back!〉
https://bit.ly/3ulcdqN

〈vol.1365 痛恨の極み〉
https://bit.ly/3Rcahdb

〈vol.1366 夜間の照明環境を見直す〉
https://bit.ly/3Rkok0y

〈vol.1369 我が家の照明環境を改善する条件 〉
https://bit.ly/481BdSz

〈vol.1370 次に考えるのは照明方法〉
https://bit.ly/3NfvalD

〈vol.1371 条件にあった照明器具を選ぶ〉
https://bit.ly/47NCAor

〈vol.1372 安心でしかない〉
https://bit.ly/48p7hQN

あのアクシデントが起こったとき、
母の右目が完全に失明したと医師から告げられたとき(それ以前から母の右目の視力はかなり悪かったのですが…)、
本当に不甲斐なく申し訳ない思いでいっぱいでした。

このアクシデントの原因は我が家の夜間の照明環境にありました。

「長らく照明を学びかつ生業にし、高齢者の視覚や見え方と光の関係について説く仕事をしていながら、自分の親をこんな目に遭わせてしまうなんて…」

なぜ問題を見いだせなかったのだろう。
自宅だからと特に気を配ることもしなかった私の怠慢がこのアクシデントを引き起こしたのではないか。

今までこれほど悔しく情けない気持ちになったことはありません。

しばらく過ごすうちに、このアクシデントを教訓としてシニア層の住宅照明環境を整える支援はできないだろうか…そんな思いがわきあがってきました。
もう、照明環境が原因で怪我をするような高齢者は出てほしくありません。

また、私自身シニアに近づきつつある現在、かつてとは物の見え方や光の感じ方、明るさに対する感覚は明らかに変わってきています。

実はこれまで照明業界では、高齢者に対する配慮や対策はそれほど多く示されてきませんでした。
せいぜい
「高齢者は目の機能が低下するために若年者の数倍の照度が必要」
というくらいのもの。

でも、今回のアクシデントや私自身の最近の視覚の認識から考慮すると、単に明るくすればよいというものではないのです。

光の
・色合い
・量
・向き
・強さ
・広がり

場所と光を使う用途や目的に応じて、この五点を詰めてゆかないと解は見いだせない。
それに光に対する感覚は個人差があるから、一概にどの程度と決められるものでもありません。

私の体験と体感、そして今まで培ってきた照明の知識とスキルを活用することで、望ましいシニアの照明環境を創るお手伝いができるのではないか。
そんなことを思ったのです。

(つづく)

■ at light laboratory の照明講座 ■

【照明基礎講座】

照明理論の基本を6回で学ぶ講座です。
オンラインの動画講座ですので、いつでも、どこでも、
ご自身のご都合に合わせて学習をすすめることができます。

・照明の仕事を始めたばかりの方
・照明の社員研修をしたい
という方にもおすすめです。

ある企業には、新入社員研修としてご採用いただいております。

*詳細はこちら
https://light-lab.hp.peraichi.com/basic-lighting
受講を始める機会は毎月2回。
1日と16日に開講しています。

●メールマガジン【日日の光察】お申込み
https://i-magazine.bme.jp/bm/p/f/tf.php?id=hibinokousatsu&task=regist

●【日日の光察】バックナンバー
https://hibinokousatsu.wordpress.com/

vol.1378 2024年の抱負

新しい年が始まりました。
お健やかに新春をお迎えのことと思います。

当地では穏やかに晴れた一年の始まり。
例年のように初日の出を拝み、佳き年となるよう祈念してまいりました。

ところが、その元日に能登半島で大きな地震、翌日には羽田空港で航空機事故が発生し、お正月気分は早々に消散することになりました。

お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災されましたすべての皆様方に心よりお見舞い申し上げます。

「何かお役に立つことはできないものか」
と思うものの、今は非力な一個人の出る幕ではありません。

従前と変わらぬ日常を送ることができることに感謝し、社会の一員として自分がすべき仕事に邁進する。
そのような想いを胸に、今年の仕事始めを迎えました。

さて本年、当事務所では新たに二つの事柄に取り組んでまいりたいと考えています。

一つは、シニアに特化した照明提案、照明設計業務を始めることです。
本メールマガジンをお読みくださっている方ならお気づきでしょう。
このことに思い至ったのは、昨夏、母が家の中でのアクシデントで右目を失明してしまったことがきっかけです。

*事の顛末はこちらから

〈vol.1364 I’m back!〉
https://bit.ly/3ulcdqN

〈vol.1365 痛恨の極み〉
https://bit.ly/3Rcahdb

〈vol.1366 夜間の照明環境を見直す〉
https://bit.ly/3Rkok0y

〈vol.1369 我が家の照明環境を改善する条件 〉
https://bit.ly/481BdSz

〈vol.1370 次に考えるのは照明方法〉
https://bit.ly/3NfvalD

〈vol.1371 条件にあった照明器具を選ぶ〉
https://bit.ly/47NCAor

〈vol.1372 安心でしかない〉
https://bit.ly/48p7hQN

そしてもう一つは、住宅の照明設計を学ぶ講座を新設することです。
但しこれは、新たな講座を開講するのではありません。
現在当事務所が開講している『照明基礎講座』を修了された方のなかで希望される方に受講していただく講座です。

『照明基礎講座』で学んだ照明理論を実務に活かす考え方、スキルを身に付けて頂くための講座。
基礎理論の応用を学ぶステップアップ講座というような位置づけと考えています。

この二つの取り組みはどちらも
「将来の照明環境創りのためには、今、きちんと形を作って伝えておかなければならない」
という想いを強くしている事柄です。
次回は、この新たな取り組みについて少し詳しくお話しさせていただきますね。

今年が皆様にとって幸多く、素晴らしい一年となりますよう心よりお祈りいたします。
本年もよろしくお願い申し上げます。

■ at light laboratory の照明講座 ■

【照明基礎講座】

照明理論の基本を6回で学ぶ講座です。
オンラインの動画講座ですので、いつでも、どこでも、
ご自身のご都合に合わせて学習をすすめることができます。

・照明の仕事を始めたばかりの方
・照明の社員研修をしたい
という方にもおすすめです。

ある企業には、新入社員研修としてご採用いただいております。

*詳細はこちら
https://light-lab.hp.peraichi.com/basic-lighting
受講を始める機会は毎月2回。
1日と16日に開講しています。

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